熊野古道馬越峠

熊野本宮大社---大斎原---大日越---湯の峰温泉---赤木越---赤木越え分岐点---発心門王子---熊野本宮大社　　

2007年3月17日～18日　

今回は少し欲張って、大日越、赤木越、そして前回ダウンしてしまったため最後まで歩くことができなかった発心門王子-本宮大社のリベンジもかねて、全行程17、4ｋｍを歩く計画をたてた。山道なので、時間どおり歩けるかどうかちょっと心配。

朝から歩けるように前日に川湯温泉に宿泊した。午前中の仕事を終え、午後1時45分のJRで伊勢市から多気まで行き、ここから乗り換えて南紀特急で新宮に行った。新宮には16時17分着、16時45分新宮発折立行きの熊野交通のバスで請川で降りた。バス停までホテルの迎えのバスが来てくれていたので6時前には宿に着いた。お腹一杯ご飯を食べて、露天風呂で満天の星を眺めて、自然の中でゆっくり。今夜は早く寝て、明日の古道歩きに備えることにしよう。

朝８時過ぎから大斎原を出発し、大日越をして湯の峰温泉に着いた。降りたところには、入浴温泉としては初めて世界遺産に登録されたつぼ湯があった。今日は先を急いでいる旅ゆえ、ゆっくり温泉につかるのは又今度、ということで、休憩もそこそこに今度は赤木越に向かった。

温泉旅館が並ぶ通りを川の上流に進むとすぐに赤木越の登り口が道路の反対側にあった（10：00）（写真）。やがて赤木越11番の古道の道標が見えた。古道では500ｍごとにこのような道標があり、古道歩きのときには頼りになる（写真）。急な登り坂を過ぎるとネットを道の脇に張った道がしばらく続いた（写真）。このあたりは木も低いので、ネット越しに紀伊の山々が見え、古道にしては開放的なところだった。今日は天気もよく、青空は広がり気持ちよかったが、このネットは風情がない。そのあとは木も高くなり、いつもの古道の風景。道は狭くなり、上り、下りを繰り返しながら、柿原茶屋跡に着いた（10：59）。この茶屋跡の向こうの三叉路を右に行くと本宮に行くらしい。本宮1番の道標が立っていたが、どういうふうに行くのだろう。左にとって、船玉神社の方に向かった。すぐにお大師様というりっぱな祠があった（11：03）（写真）。そのあといくつか上り坂を過ぎ、なべわり地蔵の前を通って（11：28）、さらに狭い山道を登っていった。そのあとはしばらく尾根づたいの歩きやすい道を行き、やがて急なつづら折れの下り坂にさしかかった。この坂を下れば、赤木越分岐点に着く（写真）。もう一頑張りだ。もう少しで分岐点に着くというところで、後から人の気配が。今日初めて出会った古道歩きのカップルだった。12時15分に中辺路街道との合流点に到着し、すぐ脇の広場で旅館で頼んだ昼食を急いで食べた。トイレもあるし、河原には、桜の蕾もふくらみかけていた。ゆっくりしたいところだったが、予定より時間がかかり過ぎている。このままだと15時10分本宮大社前発のバスに間に合わないかもしれない。

12時35分には中辺路街道を発心門王子へと向かって進み始めた。その後水呑王子、伏拝王子、祓戸王子を通って熊野本宮大社まで歩いた。本宮大社前のバス停に着いたのは３時を過ぎていて、ぎりぎりでバスに間に合った。

新宮駅には16時10分に着き、帰りの列車にはまだ時間があったので、新宮の町をぶらぶらして、予定通り19時38分発南紀特急で多気に19時25分着。19時38発の列車で19時58分に伊勢市駅に着いた。

平安時代に都の人々によってはじめられた「熊野もうで」は、今日「熊野古道」と呼ばれる道を通って本宮、新宮、那智の「熊野三山」に参詣するものでした。田辺から東進して熊野本宮への山道の中「中辺路」を通り、本宮からは熊野川を小舟で下ってさらに、新宮、那智を巡拝したのち、北上し、大雲取小雲取の険路を越えて本宮へ戻り、都への帰路についた経過が、鎌倉時代の歌人、藤原定家の日記「熊野御幸記」に克明に記されています。

磨崖名号碑（伝一遍上人名号石）

和歌山県指定文化財（記念物・史跡）

指定・昭和４２年４月１４日

所有者・本宮町湯峯270の２　　湯峯自治会

拓本の採取を禁ず

銘文の磨滅がひどいため、拓本の採取を禁じます。

平成４年４月１１日

和歌山県教育委員会

本宮町教育委員会

湯峯自治会

一遍上人の爪書

遊行上人とも言われ鎌倉時代の名僧なり本宮大社で百日の行をし諸国を行脚して六十万人の悩を救う悲願をたて経文をこの岩に爪書す。