呼び上げ地蔵  2008.7
   
汐見峠にある。
古の都人が、熊野への長い旅の途中で憧れの海を見たのは、且来(あっそ)から井田へ越えるこの峠でした。目の前に広がる海原を見たとき、その大きさと風景の美しさに歓声をあげ、いつまでも立ちつくしたことでしょう。この感動がそのまま「汐見峠」の由来になりました。また、安政2年(1855)の大地震のとき、大津波に逃げ場を失った人々が、汐見峠のお地蔵様の不思議な力に呼び上げられて、救われたと伝えられています。それ以来「呼び上げ地蔵」といわれ、信仰を集めてきました。地蔵様の台座には「志おみとうげ 大くり道」と刻まれています。大くり道というのは、小栗街道のことです。

案内板説明より