一ノ瀬王子
富田川沿いの王子を訪ねながら行きます。この王子は南岸にあります。
   
一ノ瀬王子跡 案内板から
建仁元年(1201)10月13日、藤原定家は、徒歩で「石田河」(岩田川=富田川)を渡り、この王子に参拝しています。平安・鎌倉時代の熊野参詣では、岩田川の瀬を何度も渡り、滝尻まで行きます。最初に渡るのが一の瀬です。天仁二年(1109)に参詣した藤原宗忠は、19度も渡っており、上皇や女院も徒歩で渡ります。この川の水で身を清めるためです。「女院が渡る時は、白い布を二反結び合せて、女院が結び目を持ち、布の左右を殿上人が引いた」と応永34年(1427)に参詣した僧実意は日記に書いています。その後、この王子社は荒廃し、江戸時代に再興されて、一瀬王子社、別名、清水王子・伊野王子などと呼ばれていました。明治時代に春日神社に合祀されましたが、昭和44年(1969)に現在のように整備されました。