藤白坂の丁石地蔵  2008.2
   
”藤白坂の丁石地蔵”の案内板を過ぎるといよいよ藤白坂にさしかかる。八丁の丁石地蔵。
   
全長上人は、海南市名高の専念寺第14世の住職で、禄年中(1688〜1704)専念寺に入り、延享4年(1744)に入寂した学徳にすぐれた高僧でした。全長上人は、藤白坂の距離を明確にするとともに、憩いの場所とし道中の安全を祈願するためにと、17体の地蔵を一丁ごとに安置されました。当時藤白坂にはかご屋がいて、足腰の弱い人はかごを利用して峠越えをしたものです。これによって、旅人は楽しい道中ができ、かご屋も十分な賃金を得ることができたと言われています。いつの頃からか藤白坂のかご屋もなくなり、以来250年余りの長い間に、丁石地蔵は谷に落ちたり地に埋もれたりして消え、昭和56年に現存するものはわずかに四体に過ぎませんでした。その後、新しい地蔵を加えて、十七体が復元されました。この「丁石地蔵」は当時(享保の初め頃)のものであり、「丁石」としては全国的にも珍しく、貴重な存在です。

案内板説明より