橘本神社 2008.2
   
橘本神社内にある所坂王子社を、藤原定家は「トコロ坂」、藤原頼資は「薢坂」と日記に記しています。薢は植物の野老(ところ)のことです。この付近に野老が多く自生していたことから、王子の名が付けられたようです。『紀伊続風土記』では、「ところ」の字を当て、所坂王子社と呼んでいます。この王子社は、明治時代に塔下王子社・橘本王子社を合祀し、橘本神社(現橘本神社)となりました。そして、橘本王子の由来である田道間守を主神として祀っています。神社合祀で廃絶していく王子社の中で、神社となった一例がこの所坂王子です。田道間守は常世の国から橘の木を持ち帰り、この地に日本で最初に植えたと伝えられています。その実が、日本で最初のみかんとなり、菓子となったことから、橘本神社は、みかんとお菓子の神さまとして、全国のみかん・菓子業者から崇められています。

案内板説明より