馬越峠 2007.07

天狗倉山頂のお堂
この小さなお堂には
日本の宗教史に大きな足跡を残した修験道の開祖「役行者(えんのぎょうしゃ)」をお祀りしております。古来の自然崇拝(山岳信仰)に端を発し、神道や仏教などの影響を受けた「役行者」は、1300年前の7世紀の時代、紀伊半島最深の山脈「大峰山々」を根本道場として山伏行を修業され、庶民の救済にに大いに尽くされたと伝えられております。
東北から九州まで役行者の開創を伝える霊山や寺社は数知れず、聖徳太子、行基、菩薩、最澄、空海とならぶ「古代のスーパーヒーロー」です。後世の時代の行基や空海など、また現在も多くの修行者が宗派を超えて入山修行をされております。
両側に従う「前鬼、後鬼」は夫婦で、その子孫は今も健在です。
夏季には隣村の下北山、前鬼口の山奥で「小仲坊」という山小屋を経営いたしております。
このお堂は、市内の有志ででお世話をしていますが、霊験有難いものがあります。
昔の事で定かではありませんが、前方右側の「高峰山」の彼方からと、前方正面の「八鬼山」からとの二説がありますが、天狗が飛来して、ここにお堂が祀られたという話が伝わっております。どうぞ、心をこめてお参りください。
(記)真井瑛林