川合神社---昴の郷    八木尾---熊野本宮大社
   
2009年7月4日-5日
小辺路歩きの時、抜けていた川合神社(宮平バス停)から昴の郷、八木尾バス停から本宮大社までを歩こうと、一泊二日で予定した。梅雨時のこと、計画当初は雨も覚悟だったが、天気予報によると、自宅出発の前日までは、曇り時々晴れ。これはラッキーと思い、一人温泉に浸かり、日頃の疲れを癒しがてらのんびり古道歩きができると思っていた。
7月4日13時36分JR伊勢市駅から普通列車に乗り、多気で乗り換え、14時17分の南紀5号で新宮に向った。16時14分新宮駅到着。16時55分の熊野交通のバスで本宮大社に17時56分に到着。ここに今晩の宿泊宿、ホテル昴の車が前回同様迎えに来てくれていた。最近十津川温泉まで新宮方面からのバスが行かなくなったとのこと。本宮大社から車で30分ほどもかかるところを私のためにわざわざ迎えに来てもらってうれしかった。前回昴のメンバーになったので、ホテルのスタッフも覚えていてくれてなごやかに迎えてくれた。ここのお湯は湯元から引いて水の中を通して冷まし、薄めることなく温度を下げているとのこと。早速レストランで夕食。満腹になったところで、温泉にゆっくり浸かりに行った。サウナ、露天風呂、五右衛門風呂、桧風呂があり、サウナも入って明日の小辺路の残り歩きに備え早々と就寝。
朝起きると、予想に反して暗い雲が立ち込めていて、夜には雨も降ったらしい。どうやら今日一日は小雨模様のようだ。梅雨時期だから仕方がないか。朝食後、ホテルの車で前回迎えに来てもらった川合神社まで、送ってもらった。川合神社に参って、8時39分に国道425号線を昴の郷にに向かって歩き始めた。少し行くと橋があり、この橋から川を見下ろすと、ここで川がもう一すじ合流し、二つの川が一つに成り下流に流れていた。それでこの神社を川合神社と呼ぶのだろうか。これは私の勝手な想像。このあと西川という川に沿って国道を歩き続けた。今にも雨が降りそうな天気で、果無山に靄がかかっていた。重里、殿原、椎平を過ぎ串崎というところに来ると、今まで流れていた川の水がなくなり、土砂で埋まっていた(写真)。その向こうに流れが変わった川が見えた。どうもダンプカーで今でも土砂が捨てられているようだ。なんでこんなに川の流れを変えてしまうほどの土砂がここに捨てられるのだろう。片谷橋にくると、「土砂を持ち去ると法で罰せられる」と看板が出ていた。10時2分にはホテル昴に着いた。約7km、今日前半の道は舗装してあり、あまり急な坂がないので、時間はかからなかった。
ホテルで一休みし、今度は八木尾バス停まで車で送ってもらった。ホテルスタッフに聞くと、「十津川村は面積は広いが、山が川岸まで迫っていて広い平らな土地がない。それで土砂で埋め立てて、平地を造っている。昴の郷もそうして出来た土地に建てられた。」そう聞いてびっくりすると同時に「それであんな平坦で広々とした土地なのか」と合点がいった。
八木尾バス停に着いたころには雨が降り始めた(10:46)。 そういえば前回果無峠を歩いたときもひどい雨だった。最初は国道168号線を歩くので傘をさしていた。11時10過ぎに道の駅熊の古道ほんぐうに着いた。ここで軽食を食べ、休憩。11時29分に道の駅を出発(写真)。三里念法寺で国道を離れて、右の坂道を登った(11:38)。三軒茶屋跡で中辺路の下をくぐり、すぐ横の階段を登って、ここからは中辺路を歩いた。茶屋跡には立派な休憩所もあったが、先ほど休んだばかりなので、そのまま先を進んだ。九鬼ヶ口関所跡の門をくぐり(写真)、石段をあがっていった。古道は林の中なので雨もそれほど気にならない。12時9分に「ちょっとよりみち展望台」の入り口の階段に着いた。ここで本来の古道を離れて、坂道を登った。約5分で展望台のある平地に着いた。ここから大斎原の大鳥居が見えるらしい。ただこの雨では無理だろう。そう思いながら向こうを見ると目の悪い私にも、靄の中に大鳥居がみえるではないか。ああよかった。ここから本宮よりの坂道を下り、古道にもどった。このあたりからは下りで石畳も所々残っていた。階段を下り、民家の横を通るとすぐ祓戸王子跡に着いた(12:37)。そのすぐ向こうが本宮大社裏鳥居だ(12:39)。ここから本宮大社に入り、ゆっくりお参りをして、正面の石段を降り、表の鳥居に来た。バスの時間を確認に行ったら、その前に立派な古道館ができていた。どうも最近できたらしい。太鼓をたたいて郷土踊りの披露をしていた。温泉抽出のアイスコーヒーも無料で振舞われていた。この後13時21分の熊野交通のバスに乗り、新宮発14時50分の南紀84号で多気まで。ここから参宮線に乗り換えて、18時前に伊勢市駅に着いた。
今回の歩きでは、ホテル昴のスタッフの方にすっかりお世話になった。いやな顔も見せず、私のわがままを聞いて、希望のところまで快く車で送って下さり、本当にありがとうございました。

 

案内板の説明
ちょっとよりみち展望台(熊野古道)(本宮町)

伏拝王子から本宮大社へと向かう途中にある熊野蘇生の森に新名所として造られた展望台。大塔山系に沈む夕陽が熊野の山々を美しく輝かせ、刻々と色を変える空を鳥たちが巣に戻っていく。

   
祓戸王子跡

前世と現世に心身に積もった汚れを祓い清め、日本第一の霊験をもって知られる熊野三所権現の神威にすがって、祈願し、生命力を蘇らせることを目的とする熊野参詣では、禊ぎや祓いが重視された。

中でもこの王子での祓いは、熊野本宮参詣の前に行うもので、これまでの道中での祓いにも増して重要であった。
天仁二年(1109)に貴族・藤原宗忠(1062〜1141)は、水呑王子に参拝したのち野路をたどり、祓いを済ませてから本宮の宿所に入って、翌日の参拝に備えた。
また、およそ百年後の建仁元年(1201)に、和歌の講師として熊野御幸に供奉した貴族・藤原定家(1162〜1241)は、この王子近くの地蔵堂で後鳥羽上皇の一行を待ち、本宮の神前に向かった。

和歌山県

 

宿泊

十津川温泉 ホテル昴 2泊
〒637-1554 奈良県吉野郡十津川村平谷
TEL 0746-64-1111   FAX 0746-64-1122
   1泊2食付(一人部屋)  13230円/人 (昴メンバー1割引)
   
交通
JR  伊勢市-新宮 乗車券 1760円 (ジパングクラブ3割引)
多気-新宮 特急券 1600円 (ジパングクラブ3割引)
熊野交通 新宮-本宮大社前  乗車券 1500円 
   
十津川観光課 0746-62-0001
奈良交通 0742-20-3100
熊野交通 0735-22-5101
熊野タクシー 0735-22-6311
第一タクシー 0735-42-0051
三光タクシー 0746-64-0231