内宮 宇治橋 2005.11
  
皇大神宮(内宮)
御祭神 天照御大神
御鎮座 垂仁天皇26年
天照御大神は皇室の御祖神であり、歴代天皇が厚く御崇敬になられています。また私たちの総氏神でもあります。
約二千年前の崇神天皇の御世に皇居をお出になり、各地をめぐられたのち、この五十鈴川のほとりにお鎮まりになりました。
二十年ごとに神殿をお建て替えする式年遷宮は千三百年続けられてきました。
この度の第六十一回式年遷宮は平成五年十月二日に行なわれました。
   
お木曳き行事と山田
伊勢神宮には20ねん毎にお宮を移しかえる式年遷宮という行事があります。
これは千三百年程前の持統天皇の御世に始められたもので、この伝統が固く守られ営々と現在に伝えられています。
お木曳き行事とは、木曽の山から切り出された御用材を宮川より外宮の北御門まで各団の誇るお木曳き車に載せ、木遣り歌、伊勢音頭などを囃したり、練ったりしながら、神領民と呼ばれる地元の人々によって行なわれる民俗行事です。
時期的には遷宮の7、8年前に行なわれ、いよいよまち全体が遷宮の年に向けて走り出す行事といえます。
外宮領の山田地区では陸曳きと呼ばれ、街中を曳き、内宮領の宇治地区では川曳きと呼ばれ、五十鈴川をソリで曳きます。
お木曳き車はワン鳴りと呼ばれる独特の音を出しながら曳かれ、その音を競ったりもします。また、ここ北御門への曳き込みはエンヤ曳きと呼ばれ、お木曳き行事のクライマックスで見ごたえのある勇壮なものです。
伊勢人はこの行事に参加することで、お伊勢さんへの畏敬の念とともに親しみを持って自分達の誇りとして、日々暮らしています。
また外宮の北御門は、伊勢参りに訪れる多くの人々が神宮に辿り着いたと感じる終着点といえる場所であり、それと同時に全国各地へ旅立つはじまりの場所でもありました。世界遺産に登録されている熊野古道(伊勢路)に向かう多くの人々も、ここから熊野三山を目指し新たな旅を始めようとしていたのです。
たふとさに みなおしあひぬ 御遷宮     芭蕉