小田の橋 2005.12
 
小田の橋
勢田川のこのあたりは、むかし「御贄川」と呼ばれた時代がありました。御贄とは、神様に奉わる御供物のことで神宮の御(御供物)をここを通って運んだからでした。
小田の橋は、この川に古くからかかっていました。そして江戸時代になると多くの文書にその名が書かれています。それは、この橋が外宮と内宮をむすぶ参宮街道にあってよく知られた橋だからです。
この橋をわたってむこうにみえる尾上坂をのぼり日本の五大遊里のひとつ古市(間の山)を経て内宮へいたる道はかつてお伊勢参りの人々がたどった歴史的な道。往時のにぎわいがしのばれるところです。
また、その当時内宮・外宮御遷宮用材がこの橋詰に着き両宮への御木曳きがここから行なわれたこともありました。
新しい小田の橋は勢田川の改修にともなって昭和六三年三月造替。長さ三三・二米、巾七・二米。らんかんを飾る擬宝珠はかつて徳川三代将軍家光の乳母である春日の局が寄進したという故事にならってつくられました。