外宮 2005.12
   
豊受大神宮(外宮)
御祭神 豊受大御神
御鎮座 雄略天皇22年
豊受大御神はお米をはじめ衣食住の恵みをお与えくださる産業の守護神です。
今から千五百年前に丹後国から天照御大神のお食事をつかさどる御津神としてお迎え申し上げました。
御垣内の御殿では、毎日朝夕の二度、天照御大神に神をたてまつるお祭りが御鎮座以来一日もたえることなく行なわれています。
ご遷宮は内宮を同じく二十年ごとで、平成五年十月二日に行なわれました。
お木曳き行事と山田
伊勢神宮には20ねん毎にお宮を移しかえる式年遷宮という行事があります。
これは千三百年程前の持統天皇の御世に始められたもので、この伝統が固く守られ営々と現在に伝えられています。
お木曳き行事とは、木曽の山から切り出された御用材を宮川より外宮の北御門まで各団の誇るお木曳き車に載せ、木遣り歌、伊勢音頭などを囃したり、練ったりしながら、神領民と呼ばれる地元の人々によって行なわれる民俗行事です。
時期的には遷宮の7、8年前に行なわれ、いよいよまち全体が遷宮の年に向けて走り出す行事といえます。
外宮領の山田地区では陸曳きと呼ばれ、街中を曳き、内宮領の宇治地区では川曳きと呼ばれ、五十鈴川をソリで曳きます。
お木曳き車はワン鳴りと呼ばれる独特の音を出しながら曳かれ、その音を競ったりもします。また、ここ北御門への曳き込みはエンヤ曳きと呼ばれ、お木曳き行事のクライマックスで見ごたえのある勇壮なものです。
伊勢人はこの行事に参加することで、お伊勢さんへの畏敬の念とともに親しみを持って自分達の誇りとして、日々暮らしています。
また外宮の北御門は、伊勢参りに訪れる多くの人々が神宮に辿り着いたと感じる終着点といえる場所であり、それと同時に全国各地へ旅立つはじまりの場所でもありました。世界遺産に登録されている熊野古道(伊勢路)に向かう多くの人々も、ここから熊野三山を目指し新たな旅を始めようとしていたのです。
たふとさに みなおしあひぬ 御遷宮     芭蕉