大峯奥駈道を歩き終えて |
熊野古道 伊勢路に始って、中辺路、大辺路、紀伊路、小辺路をほぼ歩き終えて、残るは大峯奥駈道となった。最初はこの年になって、登山経験もまったくないので無理を思っていたが、古道歩きをしている時に出会った人から、「奥駈道を歩いた。えらかったけれど、達成感はあるし、よかったですよ。」というのを聞いて、一度挑戦してみようという気になった。 |
2008年9月から2009年9月まで、約1年かかって大峯奥駈道を歩いた感想をしたためた。行程は下表のように全6回に分け、2、3、4、6、7回目は夫と共に歩いた。3回目から7回目まではトレックトラベルにガイドをお願いした。 |
2008年9月初めて大峯奥駈道を歩いた。最初は六田 柳の渡しから青根ヶ峰までの道を、少しでも楽に歩けるようにとの思いと日暮れ時に民家のある地域を歩きたいと思い、逆方向からスタートした。第一回目は日帰りで無事終了。第二回目は青根ヶ峰から五番関手前まで。ここから先は女人禁制なので翌日は山地がどのようなのか試しに大川口からトンネル西口まで歩こうと思った。ところが、山歩きはまったく素人の私たち夫婦。足が遅いうえに道に迷ってガイドブックによると所要時間2時間のところを4時間もかかってしまった。後で聞くとこの導入路は関西電力の点検のために使われていたが、今は鉄塔が撤去されほとんど歩く人もなく荒れているとのこと。これに懲りてもう2人で歩くのはやめよう、危険すぎると判断した。この頃にはすでに次回3回目の宿の予約もしていた。2泊3日で和佐又山ヒュッテから弥山経由で前鬼までの予定だった。以前大峯奥駈道を歩いた知人、役場、旅行会社など色々問い合わせた結果、この計画は私たちには無謀すぎると判断し、すぐ宿をキャンセルした。なにしろこの時は弥山に電話して、「もしもしヤヤマ小屋の方ですか?」というぐらい無知だったのだから。 |
そして年を越して色々調べ、まず山小屋に泊まるのは出来れば避けたい。体力面、仕事の都合から考えて最高でも連続して2日間の歩き。こう決めてネットでガイドをしてくれる所を探した。そして出会えたのが、トレックトラベルのN氏。彼も最初はたぶん私たちには無理だと思っていたかもしれない。でも黙って黙々とガイドをしてくれた。道に迷うことを心配しなくていいこと、時間をそれほど気にしなくていいこと(ちょっとは日暮れまでに山を下りれるだろうかと心配はしたんですよ)。N氏にガイドしてもらったお陰で随分助かった。彼は私たちのペースが遅いので、やきもきしていたことと思う。そして山歩きの時は余分な荷物はすべて送迎車の中に置いておけるので体への負担が少なくなったことも随分助かった。縦走する人の重そうなザックを見るとつくづく私たちは楽しているなと思った。 |
夫の体調不良もあったが、大した怪我もなく、無事に大峯奥駈道を完走できたのは、本当に良きガイドに巡り会えたからだと思う。Nさん、ありがとう。 |
追加:実は吉野 金峯山寺蔵王堂から勝手神社までは寄り道していて時間がなかったので歩いていないが、数年前桜見物に来たときに歩いたので「まあいいか」と省いた。備崎から本宮大社までは小雲取越えの時に歩いている。大峯奥駈道を歩いている期間に時間をみて高野山町石道も歩いた。 |
前泊 | 往路導入路 | 大峯奥駈道 | 復路導入路 | |
1回目 | なし | なし | 柳の渡し〜青根ヶ峰 | なし |
2回目 | 竹林院郡芳園 | 青根ヶ峰〜五番関 | 五番関〜洞川温泉 | |
あたらし屋旅館(洞川温泉) | 大川口〜行者還避難小屋 | 行者還避難小屋〜奥駈道出合 | 奥駈道出合〜行者還トンネル西口 | |
3回目 | 和佐又山ヒュッテ | 和佐又山ヒュッテ〜笙ノ窟 | 笙ノ窟〜大普賢岳〜奥駈道出合 | 奥駈道出合〜行者還トンネル西口 |
4回目 | なし | 行者還トンネル西口〜奥駈道出合 | 奥駈道出合〜弥山 | なし |
弥山山小屋 | なし | 弥山〜太古の辻 | 太古の辻〜前鬼林道ゲート | |
5回目 | きなりの郷 | 前鬼林道ゲート〜太古の辻 | 太古の辻〜持経宿山小屋 | 持経宿山小屋〜池郷林道ゲート |
6回目 | なし | なし | 持経宿山小屋〜行仙宿山小屋 | 行仙宿山小屋〜四ノ川林道 |
きなりの郷 | 四ノ川林道〜行仙宿山小屋 | 行仙宿山小屋〜花折塚 | なし | |
7回目 | 民宿かたやま(湯泉地温泉) | なし | 花折塚〜備崎 | なし |
導入路なし |
公共交通機関又は送迎車利用 |