乳岩
胎内くぐりを過ぎると大きな岩の下に地蔵がある。
  
むかし奥州の豪族、藤原秀衡が夫人同伴で熊野参りに来たとき、ここで夫人が急に産気づき、この岩屋で出産したという伝説がある。夫妻は赤子をここに残して熊野に向かったが、その子は岩からしたたり落ちる乳を飲み、狼に育てられて無事だったので、奥州へ連れ帰ったと伝えられている。その子が成長して、秀衡の三男の和泉三郎忠衡になったという話まである。