稲葉根王子跡
富田川沿いにある静かな社があります。
   
稲葉根王子跡 案内板から
藤原宗忠の日記「中右記」の天仁2年(1109)10月22日条に、「伊奈波祢王子社に参り奉幣」とあるのが、この王子の初見です。建仁元年(1201)、後鳥羽上皇の熊野参詣に随行した藤原定家は、10月13日に稲葉根王子に参拝していますが、この王子では、五躰王子に準じて、儀式が諸事華やかであったと日記に書いています。承元4年(1210)4月28日、修名門院が参詣した際には、この王子を五躰王子としています。室町時代にも、五躰王子として存続し、足利義満の側室、北野殿が参拝した折には、神楽が奉納されています。近世には「岩田王子」ともいわれ、村の産土神として祀られていました。拝殿が設けられ、末社に稲荷社を付帯していましたが、大正4年(1915)に岩田神社に合祀されました。現在の社は、昭和31年(1956)に復社したものです。