八鬼山道  2005.03.20 曇り 

夫と西国一の難所といわれた熊野古道八鬼山越えに連休を利用して出かけた。
640分頃自宅を出て、国道42号線を南下、 尾鷲市 で左折して、JR 大曽根浦駅 に着いたのは840分頃。駅構内に駐車して、910分発、熊野方面行きの列車に乗った。ワンマンカーだった。大人1280円。13分で三木里駅に到着。実は三交のバスがちょうど発車するところだったが、まだまだ体力は使ってなかったので、歩き始めたが、登り口まで結構あり、すぐにバスに乗らなかったことを後悔した。駅から海岸のほうにくだり、左折して三木里海岸を右手に見て民家の間を通り、八鬼山越え入り口についたのは、945分。海岸に面した広場に立派な東屋、トイレ、駐車場(閉まっていたけれど簡易シャワールームもあった。)があった。ここからいよいよ八鬼山越え。スタートは955分。最初は田んぼ道、そして石畳の道をしばらく行くと、名柄一里塚跡に到着(1013分)。さらに進むと籠立場に着いた。籠立場は紀州藩主や巡見使などが街道を通行するとき乗っている籠を止めて休憩した場所である。このあたりの木に古道反対のペンキによる落書きがあちこちにあり、せっかくの自然なのになぜ?とがっかりした。こんな落書きは尾鷲側にもり、ちょっと興ざめ。しばらく進んで右に道をとり江戸道へと進んだ。左に進むと明治道に行く。ここからは「槍かたげ」といわれる急な石畳の登り坂がつづいていた。この由来は急坂なためお供の行列は槍も担いで登ってよいことになっていたので一名「槍かたげ」といったとのこと。でも覚悟していたので思ったほどはこたえなかった。とはいうものの急な登り坂はやはりきつい。ハーハーいいながら十五郎茶屋へ着いたときは汗びっしょり(1117)。ここの東屋で一休み。ここからさらに登り、周辺の景色を楽しみながら比較的緩やかな道を進むと東屋から50分ほどで広い広場のあるさくらの森エリアに到着(1215分)。いままで曇り空だったが、やっと太陽がさしてきて素晴らしい展望だった。志摩半島のほうまで見渡せた。考えてみれば、海路なら志摩半島もそんなに遠くはない。菓子パンだけのランチタイムの後は広場にすわって大パノラマを楽しみ、再び古道歩き。平坦な尾根道を進むとすぐに八鬼山頂上、三木峠(627m)に着く(1253分)。ここには三木峠茶屋跡があった。石畳の道を下ると荒神茶屋跡に到着(137分)。お堂の中には高さ約1mの「石像三宝荒神立像」があるらしい。この荒神堂は西国三十三ヶ所第一番札所の「前札所」として八鬼山越えの巡礼が道中の安全を願って参拝した。太平洋戦争中は尾鷲や近隣の人たちが武運長久を祈願して参拝した。さらに下り、九木峠(522m)には1323分に着いた。九木峠には道標があり、右みきさとみち、左くきみちと記されていた。みきさとみちは今まで私たちが登ってきた熊野古道のこと。桜茶屋一里塚に1352分に着き、ここから石畳を敷きつめたつづら折の急坂、七曲りへと入る。下りなので、息はあがらないが、足がすべらないようにと、慎重に降りて行く。膝がガクガクになり、下りもまたえらし。七曲りを下り終わったのは1414分ごろ。この頃からポツリポツリと雨。七曲の石畳を下っているときに雨に降られなくてよかった。さらに美しい石畳の道を下り、伊勢内宮清順上人供養碑(1436分)、駕籠立場(1438分)をすぎ、1447分石畳の下(始まり)に着く。途中大きな敷石があったが、これを踏むと小さな音がするのでその音から「ゴットン石」の名がある。ぜひここを通ったら試してみてください。このあたりの石畳は敷石も大きく立派で、17世紀前半に敷設されたものといわれている。尾鷲地方は全国有数の多雨地として有名で年間降水量は4000mをこえる。石畳の敷設は大雨による路面の流失や崩壊から道を守り、夏草やシダ類の繁殖をおさえて道を確保するために有効な方法であった。向井登り口(私たちにとっては降り口)に1511分に着き、さらに大曽根浦駅へと歩いたがこの一般道を行くのも結構疲れた。「桜が咲いていたらさぞきれいだろうなあ」向井登り口付近を見ながら駅についたのは1545分。幸い雨も本降りにならずよかった。
今日は 熊野市 内のビジネスホテルを予約してあったので、42号線を南下し、熊野のジャスコで買い物をしてビジネスホテル河上に着いたのは5時前だった。朝早い出発だったし、昼食もあまり食べていないので、今夜はネットで調べておいた地中海料理店「クスクス」を予約した。熊野郊外の住宅地にある洒落たお店だった。まだ開店してから1年あまりともこと。おまかせコースを注文。前菜だけで5皿(5品ではなくて5皿で〜す)、魚料理は手長エビ、肉料理は岩清水で育てた柔らか~い豚肉、色々変わった料理が出て満腹。食べすぎでちょっと後悔。でもこれだけの品数と味で1人前6000円はお値打ち。
今回泊ったのはこのホテルでたぶん一番広い部屋だと思う308号室、シンプルだが、必要なものはそろっていて清潔だし、値段が安いので前回来た時気に入ってネットで再度申し込んだ。