道成寺 2008.3
  
今昔物語や道成寺絵巻の絵詩などで有名な安珍清姫物語は、能楽や歌舞伎などの名作劇として、今後も永く伝承される重要文化財で、能楽師や歌舞伎役者は一度はここを訪れます。能「道成寺」の乱拍子は門前の石段六十二段を登る姿を表しています。謡曲「道成寺」は特別伝授の謡曲愛好家の憧れの難曲で、道成寺伝説の遺跡は、謡曲の史跡でもあります。清姫の執念で焼け落ちた道成寺初代の鐘は数百年後に再興されたが、再び清姫の怨霊に落とされ、戦乱の世を経て京都妙満寺の寺宝となったと伝えられます。いま、この鐘巻の跡に立って、再興鐘楼とともに道成寺伝説に思いを馳せ、初代の鐘の行方をあれこれと類推することでしょう。

案内板説明より