串本町　くしもとちょう 和歌山県南部の西牟婁(にしむろ)郡の南端、紀伊半島最南端にある遠洋漁業と観光の町。南につきでた潮岬(しおのみさき)半島と、紀伊半島をつなぐ細長い砂州上に、町の中心がある。その東方には、紀伊大島がうかぶ。1955年(昭和30)に旧串本町と潮岬、有田(ありだ)、田並(たなみ)、和深(わぶか)の4村が合併して成立。面積は89.76km2。人口は1万6511人(1997年)。

長いリアス海岸がうつくしい景観をつくり、潮岬の東側の海岸は吉野熊野国立公園に、西側の海岸は熊野枯木灘海岸県立自然公園となっている。とくに、東海岸にある橋杭(はしくい)岩は、国の名勝および天然記念物に、潮岬は県の名勝に指定されている。

海岸線は、景勝地としてだけではなく、天然の良港としても利用されてきた。なかでも、町中心部に位置する串本港は、カツオ漁の基地としてさかえた。JR紀勢本線や国道42号、潮岬周遊自動車道などの交通網の整備や、日本の海中公園の第1号である串本海中公園など観光施設の充実にともない、近年は観光が町の重要な産業となりつつある。

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